無職、職業訓練に通う

職業訓練とは

求職者を対象にスキルアップや資格取得をすることができる公的な制度です。
無料で受講できるものが多く、給付金や失業手当がもらえるので生活を維持しながら学ぶことができます。

ハロートレーニング(職業訓練)について
ハロートレーニング(職業訓練)を活用して、就職を目指そう!|東京労働局

気になる、行きたいという方はハローワークで相談してください。

職業訓練を受講する条件

  • 求職者であり、再就職する気があること
  • 18歳~年齢制限なし(一部制限あり)

私が受講したコースは条件が35歳まででした。
高校を卒業してすぐに入校してる方もいましたし、アルバイトしながら通っている方もいました。

過去2年間で雇用保険に12ヵ月以上加入していれば失業手当がもらえます。退職理由によっては6ヵ月以上でもらえるケースもあります。

職業訓練で学べること

専門性に特化したコースが数多く開設されています。

TOKYOはたらくネット

事務、介護、機械、印刷、設計、電気、設備、ネイル、Webデザイン、プログラミング、経理、貿易、保育、建築、不動産、服飾、造園、塗装など。

ハローワークで相談すると見学に行くように勧められます。必ず見学に行った方がいいです。
思ってたのと違うとなっても変更はできませんし、1年以上期間を空けないと別のコースは受講できません。

職業訓練を受けるのに筆記試験と面接がある

職業訓練を受講するには、ハローワークに行って応募書類をもらうか、ネットで書類をダウンロードしてください。

時期によって開設しているコースも異なります。
1ヵ月前くらいから応募、面接、筆記試験(あれば)があり準備する必要があります。
筆記試験は中学校レベルの国数でした。公式を予習しましょう。
面接では就職する意思をアピールすることが大事です。
ハローワークの方の話では筆記試験より面接における比重が大きいとのことでした。

面接が厳しかった

入校してから生徒同士で話した際に面接官によって難易度は違うとは感じました。
ただし、厳しい方に当たってしまったときのためにしっかり考えて会社の面接と同じような感覚で本番に臨みましょう。

  • 就職する気があるか
  • どうして職業訓練を受講するか
  • 職業訓練でなにを学ぶか(具体的に)
  • 職業訓練で学んでどんな仕事に就きたいか(どの会社でどんな業務をしたいか)
  • 今のスキルでは不十分なのか
  • 職業訓練に通えば現実的に就職が可能だと感じるか

かなり厳しい面接官でした。
他の生徒さんは世間話程度だったという方もいましたので、会場に行ってみないとなんともいえませんね。

試験の結果…

このブログを書いてるということは受かったんでしょうとなると思いますが、結果は「補欠」でした。
欠員があれば入校できるということです。

欠員がでるまで2週間程度電話を待ちました。入校日の直前に電話がきて繰り上げ合格でした。

無料で通える専門学校

職業訓練の制度を活用してデザインを学びました

失業手当をもらいながら職業訓練のコースを受講しました。
職業訓練校はハロートレーニング、職業能力開発センターなどと呼ばれることもあります。
職業訓練校では就職に向けて専門的な知識を学びます。

私が受講したのは、1年コースの「パソコングラフィック科」です。略してパソグラと呼ばれています。
パソコングラフィック科は主にDTPデザイン(主に紙媒体のデザイン)、Web制作で使うHTMLとCSSなどの勉強をします。

授業の流れ

90分の授業が午前2コマ、午後2コマの合計4コマあります。
授業内容ごとに専門講師の先生がそれぞれ来てくれます。実技の授業は2コマ連続であります。

DTPに必要なAdobeソフトの使い方やデザインの知識はもちろん、印刷についての授業、カメラ撮影の授業、色彩、マーケティング、プレゼンテーションなどがあります。

始めの週は入校式と簡単なガイダンス、自己紹介してお互いにコミュニケーションを取るテーマの授業でした。1カ月くらいは主に座学で、2ヶ月目以降は実技で手を動かして作品を制作していく授業が増えます。

パソコングラフィック科 | 都立職業能力開発センター | TOKYOはたらくネット
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思い出に残った授業

ある日の授業で「影響を受けた人や作品」というテーマでディスカッションがありました。
正直ネタがなくて困りました。
人生を振り返ると、きっと誰かや何かの影響を受けているはずです。
振り返ることや考えることを疎かにしていたという気付きがありました。
クラスメイトたちは家族、友だち、先生、偉人、漫画の登場人物など幅広いジャンルでテーマを展開してくれました。
数年ぶりに学校に通ったことで人生を振り返る機会になりました。

授業についていくのは大変だった

パソコンを毎日使うような事務職をしていましたが、Adobeのソフトを使う授業についていくのは大変でした。
実習ではMacとWindowsのOSを使ってAdobeのillustrator、Photoshop、InDesignの操作を勉強します。
クラスの中には過去に少しでもそういったことに触れてきた方もいれば、パソコンに触ることもほぼなかった方もいます。
先生によりますが、基本的には苦手な方に合わせて授業を進めてくれます。
実技の授業では課題があり、提出しなければならなかったので、時間内に終わらない場合には自習もしていました。

プレゼンテーション

各節目にプレゼンテーションをして自分の意見や作品を発表しました。
作品を前に言葉で発表するだけでなく、プレゼン資料を別で用意することもあります。

人前で話すことに抵抗はありましたが、みんなの作品を見ることは楽しかったです。
私にとっては全ての作品が良く見えました。真似したくなったりしました。
先生にセンスがないなどとハッキリダメ出しをされて心が折れかけました。

プレゼンテーションはしたくないなっと思いながらも、改まって人前で発表する機会がなかった私としてはいい経験になりました。

就職するための話

職業訓練に通う目的が就職するためなので、就活に関する授業があります。

「働く場所を選ぶときに【お金・向いているか・仕事に費やす時間】の3つを考えて将来どうなりたいかとリンクさせながら探す」という話がありました。
そして、いくつかの目標の中で高いものもあれば実現できそうな目標を設定することも大事だと。
将来設計にフォーカスして思考する時間や個人的に履歴書や面接対策などをしてくれる時間が授業のカリキュラムに用意されています。
前提としては勉強している内容に沿って就職先を提案してくれますが、キャリアアドバイザーとして広い視野で相談にのってくれる講師の先生もいます。

先生は厳しい?

講師の先生方は実際にプロとして現場で働いている方です。
先生自身も職業訓練に通った経験を経てプロになったという方もいます。
厳しいことを言う先生もいますが、優しい先生が9割でした。
先生のタイプも様々で相性のいい先生が見つかると話しやすいです。
積極的に授業内容の質問や就職の相談をしているクラスメイトもいました。

クラスメイトについて

30人生徒がいて、クラスのメンバー構成は高校卒業したての10代~社会人経験者の30代までいました。男女比は3:7くらいでした。
私が入校した学科は概ね35歳までが対象なので若年層が多かったです。
全体では高齢者が受講できる学科もあり、40~50代で受講する方も多いようです。
経歴なども全く違う人たちが集まります。
考え方の違いやジェネレーションギャップを感じることもありました。十人十色です。

デザインセンスがない

制作する授業を繰り返していく中で上手くいかないことが多かったです。
先生はセンスは実践を重ねたり、頭で考えたり、作品をいっぱい見たら養うことができると言ってくれました。
向いてないと感じることが多くてデザイナーになることを考えるのが辛かったです。
自宅でillustratorの練習をしたり、デザイン展に行ってみたり、図書館で本を借りてみたり、自分なりに出来そうなことをしました。

職業訓練を途中退校した

私は修了まで4ヵ月ほど残して辞めました。
授業も専門性を深まり、ポートフォリオ作りが始まった時期に退校することを決意しました。
理由は就職が決まったからです。
クラスの中ではかなり早く就職活動を始めていました。
就活を始めてから1カ月ほどでいい求人と出会えて、採用していただくことができました。

職業訓練校のおかげで就職できた

2週間に1回くらいあった、Webについての授業をきっかけにWeb制作に興味を持ちました。
Webでもデザインが出来ないと仕事はないよという先生に言われましたが、とりあえずコードを書くことができるようになりたい、その関係の仕事に就けたらいいなと思いました。

求人サイトを見ていたとき、大手企業でWeb関係の職種がありました。
未経験ですが、求人がある以上チャンスはあります。
zoom面接を経て、とんとん拍子で採用が決まりました。
職業訓練校に通ったことで自信がついて面接でも堂々とできました。

職業訓練はおすすめ!

メリット

  • 勉強しながらお金がもらえる
    (前職の2/3くらいの金額分の失業手当が月々もらえます。)
  • 丁寧にゼロから教えてくれる
    (分からない場合は理解が遅いひとに合わせてくれますし、個別に質問できます。)
  • キャリアコンサルタントの元で人生を見直せる
    (履歴書や面接など就活についての授業があり、キャリア設計を見直しできます。)

デメリット

  • 基礎が主なので知識があるひとには物足りないかも?
    (知識ゼロの人もいる中で授業が進んでいくので、専門性を高めたいという方にはマッチしない可能性があります。)
  • いろんな人がいる(集まる人の年齢や経歴など境遇が様々のため、他人を気にしすぎると疲れてしまう可能性があります。)

社会人を経験して、改めて学校に行くのは不思議な感覚でした。
事情があって退校する方もいますし、就職が決まったうえで修了して卒業する方もいますし、修了してから就職活動をする方もいますし、修了して独立する方もいるので、人生は人それぞれです。

illustratorを学びたいとかデザイナーになりたいとか目標が明確である方なおいいです。
デザインの専門学校に行ったけど、また学び直したいという方もいました。

目標が明確でなくても、社会に戻る自信がついたり、自分がしたいことがないときに次までの繋ぎだとか、何かを見つけるきっかけになるかもしれません。

思い出に残っている先生のことば

  • 一行三昧(雑念を取り払って一心に何かに取り組むこと)
  • 自分の中のこだわりを捨てない。
  • 普段からいろんなものをみる。
  • 「すみません」じゃなくて「ありがとう」という。
  • 1週間後にどんな自分になりたいか言葉にしてみる。
  • 教えてる人が寂しい思いをしないためにも質問する。
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